お疲れ様です。
セコマ美味しい( @secomaoishii )です。
きびだんごって食べたことないや
幼少期、『桃太郎』に出てきたきびだんごを、食べてみたくて仕方なかった。親にねだったが当然却下された。今になってみればそれはそう。だってきびだんごって売ってないもん。
そんなわけで、なんとなく絵本のビジュアルだけで、きなこだんごみたいな感じだろうと目星をつけて早ン十年。
ヤツはセコマのレジ横にいた。
ボスの登場
手のひらサイズで厚みも1cm程度で税込65円と、全てが手頃でちょうどいいじゃないか。
さっそく包み紙を開けてみたが、この時点では香りがしない。まあ、さらに緩衝材でくるまれていたので、香りがしなくてもおかしくはないのだが……。もっとこう香ばしいきなこっぽい香りがするかと勝手に思っていたので、拍子抜けだ。
そしてその緩衝材を開けてみると……。
……は?
……何だこいつ。ボンタンアメのボスみたいなやつがいた。ご丁寧にオブラートで包まれているのが、またボンタンアメ感を加速させている。だんごとは?
ちなみに緩衝材を開けるまで、筆者は駄菓子の「さくらんぼ餅」みたいなのを想像していた。
こんな感じで、だんごが3個ないしは4個くらい一列で入っているのだろうと思っていたら、これである。繰り返す。だんごとは?
ただ、結果のみが真実。
お皿に移しても、どうみてもだんごには見えない。よく言えば宇宙食。普通に言えばディストピア飯に出てきそうなビジュアルである。
しかし、たしかにだんごが「丸くて串に刺さっているもの」というのは、筆者を含む社会の多数派の固定観念にすぎない。全ての問題は味に帰結するのだ。
まずなにを差し置いても、ものすごく粘る。「餅なんだから当たり前だろ」と思われるかもしれない。が、この粘度はもちとはちょっと違う感じだ。どちらかというと、ハイチュウのようなソフトキャンディに近い感じ。
どのくらい粘るかというと、粘度がすごくて、包丁では切れないくらいには粘る。そしてオブラートに包まれていることからも分かる通り、ものすごくベッタベタになる。
結局ちぎって香りを確かめてみたが、やっぱり香りはしない。まあ、繰り返すが問題は味だ味……。筆者の長年の疑問だった、きびだんごの味がついに分かるのである。期待も高まるというもの。
味は……
……うん。
黒糖餅だな。かなり甘めの。もち自体の粘度と相まって、かなりあとを引く甘さ。昔懐かしい感じの甘さというか、ヤマザキっぽさすら感じる甘さ。美味しいけれど、きびだんごってこんな味なのかと拍子抜けした。とはいえ税込65円で買えるし、携帯食として使い勝手がよさそう。どうりで桃太郎が持ち歩くわけだわ。
もう一人の僕
だが、やはり釈然としない。本当にこいつはきびだんごなのかと思って、食べ終わった後で製造元の天狗堂宝船のHPを見たら、衝撃の事実が判明した。
──北海道銘菓として道民に親しまれてきた「きびだんご」は、岡山県名物の餅粉やきび粉を使った羽二重餅の「吉備団子」とは全く異なる、北海道独自のお菓子です。
では、なぜ「きびだんご」という名前を付けたのか?
この名前は【事が起きる前に備え、団結して助け合う】から「起備団合」として発売されました。────
(天狗堂宝船HP 北海道銘菓「きびだんご」:名前の由来 より)
つまり……同姓同名の全くの別人!!!!!
『桃太郎』のきびだんごとは、全く異なるお菓子だったわけだ。
いやまあ、ネタとしてはおもしろいけれど……。
筆者のきびだんごへの夢は実現できていないままだ。
なんだか釈然としないなあ……。だってパッケージももろに桃太郎だし……。
とはいえ、天狗堂宝船「日本一 きびだんご」自体は美味しいので、これはこれであり。見つけたら食べてみてほしい。安いし。
▼お取り寄せもできるよ
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